月次推移表

月次推移表の作り方
月別に並べて変化を読む

2026年8月13日 更新

試算表は毎月出てくるけれど、1枚だけでは良し悪しが判断できない——そこで多くの会社が作るのが、月別に数字を横へ並べた月次推移表です。ところが自己流で作ると、期の途中で科目や部門が増えたとたんに崩れたり、毎月の貼り付け作業に時間を取られたりします。この記事では、月次推移表をどう設計すれば長く使えるかを、行・列の決め方から順に整理します。

月次推移表とは

月次推移表とは、勘定科目や部門などの項目をに、月をに置いて、同じ項目の数字が月ごとにどう動いたかを一覧できるようにした表です。試算表がその月の断面(スナップショット)なのに対して、推移表は時間の流れを見るための表です。

単月の試算表では「売上1,200万円・営業利益80万円」が良いのか悪いのか判断できませんが、12か月を横に並べると次のことが読めるようになります。

試算表の読み方そのものは試算表の見方で扱っています。推移表は、その試算表を時系列に並べ直したものだと考えてください。

手順① 行(項目)を決める

最初に決めるのは行です。ここでよくある失敗が、会計ソフトの勘定科目をそのまま全部並べてしまうことです。科目が100行以上並んだ表は、印刷すると読めず、結局誰も見なくなります。

行は「見たときに打ち手につながるか」で選びます。中小企業の月次推移表なら、まずはこの程度の粒度で足ります。

細かい科目は、まとめた行の下に必要なときだけ内訳を置きます。上から順に読むと話が通じる並びにしておくと、会議でそのまま使えます。売上と費用を変動費・固定費に分けておくと、損益分岐点の計算にもそのまま使えます。

手順② 列(月)を決める

列は月ですが、決めることが3つあります。

最後の点が特に重要です。列は増やすものではなく、最初から用意して埋めていくものと決めてしまうと、月次作業が「貼るだけ」になります。

手順③ 累計・前年・予算を足す

月別の実績だけでは、良し悪しの判断まではできません。12か月の右側に、判断のための列を足します。

このうち経営判断にいちばん効くのは予算との比較です。前月比・前年比は「変化」しか教えてくれませんが、予算比は「そうあるべき姿からどれだけずれたか」を教えてくれます。差異の読み方は予算実績差異分析とはで解説しています。

1枚に詰め込みすぎない

12か月+累計+前年+予算+差異+達成率を1枚に並べると、横に30列以上ある表になります。そこまで広げると、画面でもスクロールしないと読めず、会議では誰も追えません。「月別の推移を見る表」と「予算と比べる表」は別のシートに分けるのが現実的です。同じ実績データから2つの見え方を作る、と考えてください。

手順④ 数字の入れ方を決める

表の形が決まったら、毎月どうやって数字を入れるかを決めます。ここを決めずに始めると、担当者ごとにやり方が変わって引き継げなくなります。

特に最後の2つは、後から揃え直すのがいちばん大変な部分です。最初に決めて、表のどこかに書いておくことをおすすめします。締め自体を早める工夫は月次決算の早期化にまとめています。

Excelで作るときにつまずく点

月次推移表はExcelで作れます。実際、多くの中小企業がExcelで運用しています。ただし、続けていくと次のような壁に当たります。

最後の1つは特に厄介です。数式が壊れていても表はエラーを出さないため、間違った合計のまま何か月も会議で使われることがあります。Excel管理の限界そのものは予算管理にExcelの限界を感じたら?でも整理しています。

表を作り直さない設計にする

つまずく点をよく見ると、原因はどれも同じところにあります。「集計した結果の表」を手作業で保守していることです。

これを避けるには、持ち方を分けます。

こうしておくと、科目や部門が増えても明細に1行増えるだけで、表の構造を直す必要がありません。切り口を変えたいときも、集計の軸を変えるだけで済みます。部門の持ち方については部門予算のテンプレートはどう作る?で階層設計の考え方を扱っています。

ツールを使うとどこが楽になるか

Zidottoは、売上・費用・利益を自由な軸で集計し、予算と実績を並べて見える化できる予算実績管理ツールです。月次推移表の運用では、次のような点で手間を減らせます。

具体的な画面イメージは活用シーンで、実際の画面は画面ツアーで確認できます。月次の入力に使えるひな形は無料テンプレートで配布しています。

まとめ

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