損益分岐点

損益分岐点とは
計算式と求め方をやさしく解説

2026年7月12日 更新

「毎月いくら売れば赤字にならないのか」——この問いに数字で答えられるのが損益分岐点です。値決めや目標設定、新規事業の判断まで、経営のあらゆる場面で土台になる考え方でありながら、「計算式が難しそう」と敬遠されがちです。この記事では、損益分岐点とは何か、どう計算し、どう使えばよいかを、専任の担当者がいない中小企業の視点でやさしく整理します。

損益分岐点とは

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど等しくなり、利益がゼロになる売上高(または販売数量)のことです。この点を境に、売上がこれを上回れば黒字、下回れば赤字になります。「あといくら売れば赤字を脱するのか」「今の固定費を賄うには最低いくら必要か」という問いに、感覚ではなく数字で答えられるようになるのが最大の価値です。損益分岐点となる売上高を「損益分岐点売上高」と呼びます。

固定費・変動費・限界利益の3つを押さえる

損益分岐点を理解するには、まず費用を2つに分ける考え方が欠かせません。

そして、売上高から変動費を引いたものを限界利益と呼びます。限界利益は「売上のうち、固定費の回収と利益に回せる部分」を表します。

この限界利益で固定費をちょうど賄えたときが、損益分岐点です。

損益分岐点売上高の計算式

損益分岐点売上高は、次の式で求められます。

限界利益率は「1円売ると何円が固定費・利益に回るか」の割合なので、固定費をその割合で割り戻せば、「固定費を回収しきる売上高」が出るという考え方です。販売単価がほぼ一定の商売なら、数量ベースでも計算できます。

具体的な計算例

数字を入れて確かめてみましょう。ある月の状況が次のとおりだったとします。

このとき、限界利益は 500万円 - 300万円 = 200万円、限界利益率は 200万円 ÷ 500万円 = 0.4(40%) です。したがって損益分岐点売上高は、150万円 ÷ 0.4 = 375万円 となります。

つまり、月375万円を売り上げれば損益はトントン。実際の売上は500万円なので、375万円を125万円上回っており、その分が黒字を生んでいるという読み方ができます。売上がどれだけ落ちても赤字にならないか(=安全余裕率)も、この差から把握できます。

「計算して終わり」にしない

損益分岐点は、一度出したら終わりの数字ではありません。固定費が増えれば損益分岐点は上がり、変動費率が下がれば損益分岐点は下がります。毎月の実績を同じ形で集計し、損益分岐点が動いていないかを継続して見ることで、値上げ・コスト削減・固定費の見直しといった打ち手の効果を確かめられます。

損益分岐点から見える経営の打ち手

損益分岐点がわかると、次のような判断に使えます。

予算と実績を突き合わせる考え方とあわせると効果が高まります(→予実管理とは?)。

Excelでの損益分岐点管理でつまずきやすい点

損益分岐点の計算自体はExcelでも十分できます。ただし、「一度計算する」のではなく「毎月・商品ごとに継続して見る」となると、次のような壁にぶつかりがちです。

Excel管理そのものの限界については予算管理にExcelの限界を感じたら?でも詳しく整理しています。費用の分け方や原価の考え方は原価管理とは?もあわせてご覧ください。

ツールを使うとどこが楽になるか

Zidottoは、固定費・変動費・売上・予算を同じ軸で並べて見える化できる予算実績管理ツールです。損益分岐点の管理では、次のような点で手間を減らせます。

具体的な画面イメージや使いどころは活用シーンで、データの保全やセキュリティの考え方はセキュリティで紹介しています。

まとめ

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