予算配分

年間予算の月別配分のやり方
12等分をやめて季節変動を織り込む

2026年9月2日 更新

年間予算が決まったあと、必ず通る作業が「その金額を月に割る」ことです。ここで年額を12で割って終わりにすると、毎月の差異分析がほとんど意味を持たなくなります。 売れる月に予算どおりでも「未達に見える」、暇な月に手を抜いても「達成に見える」——差異が実力ではなく季節のブレを表してしまうからです。この記事では、月別配分の考え方と4つの方法、科目ごとの使い分けを整理します。年間予算そのものの立て方は予算編成の進め方にまとめています。

なぜ12等分ではいけないのか

月別配分の目的は、年間の目標を月に分けることではなく、毎月「予定どおりか」を判断できる基準を作ることです。12等分はこの目的を果たしません。

月別配分は精密さを競う作業ではありません。その月の数字を見て「順調か、まずいか」を判断できる程度に現実へ寄っていれば十分です。1円まで合わせる努力より、季節の山と谷が入っているかどうかのほうが効きます。

月別配分の4つの方法

実務で使う配分方法は、次の4つでほぼ足ります。

① 均等配分(年額 ÷ 12)

毎月ほぼ同額で発生する費用に使います。家賃・リース料・保守料・減価償却費などが該当します。均等配分が悪いのではなく、季節性のある科目に均等配分を使うのが問題です。実態が平らな科目には迷わず使ってください。

② 前年実績の比率で割る(季節指数)

売上や、売上に連動する費用に最も広く使える方法です。前年(できれば過去2〜3年)の各月実績が年間合計に占める比率を出し、その比率を今期の年間予算に掛けます。

  1. 前年の月別実績を並べ、年間合計を出す
  2. 各月の実績 ÷ 年間合計 で構成比を出す(12か月の合計は100%になる)
  3. 複数年分あれば、各月の構成比を平均する
  4. 今期の年間予算 × 各月の構成比 で月別予算を出す

過去に一度きりの大口案件や、災害・移転のような特殊要因が入っている月は、その分を除いてから比率を出します。 異常値をそのまま比率に含めると、翌年も同じ山を前提にした予算になってしまいます。

③ 営業日数・稼働日数で割る

日々の営業活動に比例する売上や、時間で発生する費用に使います。年額を「その月の営業日数 ÷ 年間営業日数」で割り振ります。連休の多い月や、決算月・年末年始をまたぐ月のズレを素直に説明できるのが利点です。飲食・小売のように土日が主力の業種では、営業日ではなく土日祝の日数で割ったほうが実態に合います。

④ 予定を積み上げる

発生する月がはっきり決まっているものは、比率で割らずその月に直接置きます。

科目ごとに方法を使い分ける

1つの方法で全科目を割ろうとすると、必ずどこかが実態から外れます。科目ごとに方法を変えてよい、というのが実務上いちばん大事な点です。

迷ったら「この科目は、来月いくら出ていくか事前に分かるか」で判断してください。分かるなら ④、分からないが去年と似た形なら ②、毎月同じなら ① です。

進め方(4ステップ)

  1. 科目を金額の大きい順に並べる — 上位の数科目で損益の大半が説明できる。全科目を丁寧に配分する必要はない
  2. 各科目に配分方法を決める — 上の使い分けに沿って ①〜④ を割り当てる。決めた方法は表の欄外にメモしておく
  3. 配分して月別に置く — 端数は最後の月ではなく、金額の大きい月で吸収すると違和感が出にくい
  4. 月別の利益を並べて確認する — 配分後に月次の利益が現実的な形になっているかを見る。赤字が続く月があるなら、それが実態か配分ミスかを判断する

ステップ4を飛ばさないでください。科目ごとに配分すると合計は必ず年間予算に一致しますが、月別の利益がありえない形になっていることは珍しくありません。売上を前年比率、費用を均等で割ると、閑散月に大きな赤字が立ちます。それが実態ならそのままで構いませんが、実態でないなら費用側の配分を見直す合図です。

配分した予算をどう使うか

よくある失敗

Excelでつまずくところ

このあたりの限界は予算管理にExcelの限界を感じたら?でも整理しています。

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まとめ

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