売上分析

売上分析のやり方
ABC分析で「どこで稼いでいるか」を見る

2026年10月4日 更新

「売上は前年並みなのに、利益が残らない」「どの得意先を優先すべきか、営業と経理で意見が合わない」——こうした話は、売上を合計の1行でしか見ていないときに起きがちです。売上の合計が同じでも、中身が「少数の大口に支えられている」のか「小口が広く積み上がっている」のかで、打つべき手はまったく変わります。この記事では、売上を得意先別・商品別に分けて偏りを見るABC分析のやり方を、手順に沿って整理します。

売上分析で最初に見るのは「偏り」

売上分析にはさまざまな切り口がありますが、中小企業が最初に押さえたいのは売上がどこに偏っているかです。多くの会社で、売上の大半はごく一部の得意先・商品から生まれています。これを把握していないと、次のような判断ミスが起きます。

偏りを数字で見える形にする定番の方法が、ABC分析です。

ABC分析とは

ABC分析とは、得意先や商品を売上の大きい順に並べ、上から累計した売上の割合(累計構成比)でA・B・Cの3つのグループに分ける分析です。グループ分けの目安としてよく使われるのは次の線引きです。

70%・90%という数字は決まりではなく、あくまで目安です。業種や取引の構造に合わせて、自社で説明しやすい線を決めて構いません。大事なのは、一度決めた線を毎回同じに使うことです。線を毎回動かすと、グループの入れ替わりが「実態の変化」なのか「線を動かしたせい」なのか区別できなくなります。

手順① 期間と対象を決める

最初に決めるのは「何を・いつからいつまでで」並べるかです。

特に最後の点は、会計ソフトから出すデータと販売管理システムから出すデータで定義が違うことがよくあります。どのデータを正とするかを先に決めておくと、後から数字が合わずに悩む時間を減らせます。

手順② 売上の大きい順に並べ、構成比を出す

対象と期間が決まったら、項目ごとの売上を集計し、表に次の列を作ります。

  1. 項目名 — 得意先名や商品名
  2. 売上 — 期間中の合計
  3. 構成比 — その項目の売上 ÷ 全体の売上
  4. 累計構成比 — 上から順に構成比を足し上げたもの

並べ替えは売上の大きい順(降順)です。累計構成比は、1行目は構成比そのもの、2行目以降は「1つ上の行の累計構成比 + 自分の構成比」で求めます。最終行がちょうど100%になっていれば、集計漏れや二重計上がないことの簡単な確認にもなります。

手順③ A・B・Cに分けて、数と金額を確かめる

累計構成比に線を引いて、各項目をA・B・Cに振り分けます。振り分けたら、グループごとに項目の数と売上の合計を並べてみてください。

たとえば得意先が50社ある会社で、Aグループが6社・売上の70%、Bグループが12社・20%、Cグループが32社・10%だったとします(数字は説明のための例です)。この形が見えると、「6社の動きが会社全体の売上の7割を決めている」「32社ぶんの請求・入金管理が、売上の1割のために発生している」といった、合計の1行からは読めない事実が言葉にできるようになります。

累計構成比を折れ線、売上を棒グラフにして重ねた図はパレート図と呼ばれます。会議資料に載せるなら、表よりもパレート図のほうが偏りの大きさが一目で伝わります。

手順④ グループごとに打ち手を決める

ABC分析は、分けて終わりではありません。グループごとに管理の濃淡を変えるための道具です。

月ごとの動きを追うときは、ABC分析で選んだAグループの項目だけを行に並べた推移表を作ると、見るべき数字が絞られます。推移表の設計は月次推移表の作り方で解説しています。

売上だけで分けると、利益の出ない「A」を見落とす

売上で並べたAグループの中に、値引きや手間がかさんでほとんど利益が残っていない得意先が混ざっていることは珍しくありません。売上のABC分析ができたら、同じ並びに粗利(または限界利益)の列を足して、売上の順位と利益の順位がずれている項目を確かめてください。売上と費用を変動費・固定費に分けて採算を見る考え方は損益分岐点とはで、その場で数字を入れて試すなら損益分岐点 計算ツールが使えます。

Excelで続けるときにつまずく点

ABC分析そのものは、Excelの並べ替えと簡単な数式で1回は作れます。難しいのは、それを毎月・毎期続けることです。続けていくと、次のような壁に当たります。

どれも原因は同じで、集計した結果の表を手作業で保守していることにあります。Excel管理の限界そのものは予算管理にExcelの限界を感じたら?でも整理しています。まずはExcelで売上と予算を月別に並べる形から始めたい場合は、登録不要の無料テンプレートを使ってください。

明細を1か所に持ち、切り口は後から選ぶ

つまずく点を避けるには、持ち方を分けるのが近道です。

こうしておくと、得意先が増えても明細に行が増えるだけで、集計表の構造を直す必要がありません。得意先別のABC分析をした翌月に商品別で見たくなっても、軸を変えるだけで済みます。

ツールを使うとどこが楽になるか

Zidottoは、売上・費用・利益を自由な軸で集計し、予算と実績を並べて見える化できる予算実績管理ツールです。売上分析では、次のような点で手間を減らせます。

商品 × 担当 × エリア × 期間で売上を組み立てるひな形はテンプレート一覧の「販売・売上計画」で、実際の画面は画面ツアーで確認できます。

まとめ

Zidottoを無料で試してみる →

関連記事

得意先別・商品別の集計を、毎月組み直さずに見られるようにしましょう。

無料アカウントを作成すれば、取り込んだ売上明細を得意先・商品・月などの軸で集約し、切り口を切り替えるだけで並べ替えられます。まずは主力の商品グループ1つ・数か月分から試せます。